トレンド

リツイートによる誹謗中傷 「悪気なかった…」で済まされぬ影響力

気軽なリツイートが大きなトラブルに繋がる可能性も

気軽なリツイートが大きなトラブルに繋がる可能性も

 昨年発生した「茨城県あおり運転殴打事件」の“ガラケー女”に間違われ、いわれのない誹謗中傷を受けた女性は、自身の名誉回復のため、デマをネットに書き込んだ人物を訴えた。とはいえ、自分に同様の事態が降り掛かったとき、「訴えるなんて自分にはできない」と考える人は少なくない。

 しかし、インターネットの誹謗中傷は無差別で行われており、この女性同様、あなたが明日突然、標的にされるかもしれない。それと同時に、何気ないリツイートのつもりでも、それが誰かを傷つけ加害者になる可能性もあるのだ。実際、元大阪府知事・元大阪市長の橋下徹氏は自身にまつわるデマをリツイートしたジャーナリストを訴え、勝訴。ジャーナリストに33万円の支払いが命じられた。

 なぜ近年、ネット上のトラブルが増えているのか。これは、スマートフォンの普及に伴い、SNSのユーザーが増えたことも一因としてある。

「ネット上で問題を起こす人が増えたというわけではなく、SNSのユーザーが増えたため、ネット上のトラブルも増えたというわけです」

 こう話すのは、ネット問題に詳しい情報リテラシー専門家の小木曽健さんだ。ネットには、普段人には見せない別の一面を、安易に露呈させてしまう特性がある。ネット上では投稿する相手と対面することがほとんどないうえ、投稿者は顔や本名を公表しないことが多い。「自分だとはバレないだろう」と高をくくることで、普段は口にしないような悪口も、気軽に発してしまうのだ。この気軽さが、誹謗中傷投稿を生む一因になっている。

「投稿する当人でさえも、自分の行為が人を傷つけているとわかっていないケースが多い。だから、誹謗中傷が増え続けているともいえます。こういった“無意識の中傷”の代表例が、リツイートです。これは、自分で発言をするわけではなく、誰かが発した興味深い投稿を、ほかの人にも拡散しようと、その投稿を転載することをさします」(小木曽さん・以下同)

関連キーワード

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。