友人とのCDの貸し借りもなくなった
40代の自営業の男性・Bさんは、NetflixとApple Musicを利用中。特にApple Musicを使うようになって音楽の聴き方が変わってきたという。
「今まではCDを買ってそれを取り込んで聴いていたんですが、今はCDを買うことも激減。ほぼストリーミングだけで聞いています。あと、友人とのCDの貸し借りもなくなりました」
かつてのBさんはCDを貸し借りするだけでなく、自分の購入したCDを取り込んだデータを友人に受け渡したり、友人が取り込んだ音楽データを受け取ったりもしていたという。エンタメライターの大塚ナギサ氏はこう話す。
「自分で購入したCDやレンタル店で借りてきたCDを自分や家族が楽しむためにパソコンに取り込んだり、データをコピーしたりすることは問題ありません。しかし、友人に渡すためのコピーとなると『私的利用』の範疇を超える可能性が高くなります。また、音楽データを共有するために許可なくオンライン上のストレージにアップするという行為も著作権侵害にあたります」
しかし、Bさんはサブスクを使用するようになり、音楽データのやり取りは一切しなくなった。
「データのやり取りはCDの貸し借りと同じだという感覚だったので、まったく罪悪感がなかったんですが、実は著作権侵害になる可能性が高いと聞いて、ビックリしました。でも、サブスクがあればそういうルール違反をすることもない。そもそも、わざわざデータを取り込んだり渡したりするのは、作業的に面倒くさいですからね。毎月の料金はかかりますが、CDを買うより安いし、法に触れるようなこともないし、とても良かったと思います」(Bさん)
知らず知らずに犯しているルール違反を回避することもできるサブスクリプションサービス。そのメリットは、単に利便性だけではないといえそうだ。