一覧にして初めて分かることも
一つ一つの口座の残高や住宅ローン残高について、普段から把握はしているつもりでも、一覧にして初めてわかる情報もあります。このバランスシートを毎年作っていって、数年分の情報が蓄積されると「この1年で資産がいくら増えた」「前年の貯蓄ペースより良い・悪い」といった、家計簿では意識しにくい長期的な収支が見えるようになります。その振り返りができるだけでも有効です。
また、結果を夫婦で共有し、資産と負債の大きさや、現在の増減ペースでよいのかを確認し合うとよいでしょう。例えばフルローンに近い借り入れで住宅購入をした場合、しばらくは資産の総額より負債の総額の方が上回っていることもあります。そのことを焦る人もいれば、毎月問題なく返済ができているので良しと考えることもできます。同じデータを見ても、どう感じるかも人それぞれですが、今後どのようにすべきかを共有することで、家計管理に活かすことができます。
ぜひこの年度末に“自分バランスシート”の作成を試してみてください。
◆しみず・あや/CFPR、1級FP技能士、住宅ローンアドバイザー、証券外務員I種。30歳でファイナンシャル・プランナーとして独立、長野・東京で活動中。主に30~40代の「普通のくらし」を求めている方への「自分がお客様の立場だったらどういう判断をするか」を軸にお金の持ち方・つかい方のアドバイスに力を入れている。ライフプラン作りから資産運用まで老後にわたる継続的なサポートすることを事業理念として活動している。HPはhttp://www.fp-saku.com/。