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朝から晩までパチンコを打っている人たちが直面する体調問題

 パチンコ店といえば、店内にはずっと大きな音が流れている。そんななかに一日中居続けて、平気なのだろうか?

「確かに打っている間、ずっと騒音に晒されているわけですが、これが余裕で慣れてしまうんです。誰かと会話することもないのでうるさくても何の問題もないし、むしろ妙に集中できます。ただ、打ち終えた後の耳鳴りはすごいですね。家に帰ってから眠るまで、なんだか耳の奥で騒音が鳴り続けているような感覚は残りました。恐ろしいことに、これにも慣れてしまうんですが……。

 とはいえ、やっぱり12時間くらい打っていると、光と音の刺激のせいなのか、だんだんボーッとしてくるんです。さらに、何日も連続で打っていると、目を閉じるとパチンコの液晶やパチスロのリールが出てくるような感覚になってくる。そのうちに神経過敏のような状態が続いてきて、思考力が低下してきます。もちろん、これは私のケースで、個人差があると思うんですが、パチンコ・パチスロ以外のことがあまり考えられないような状態になりがちです」(藤井氏)

打ち終わった後の体の倦怠感

 パチンコ・パチスロをずっと打ち続ける人は、健康リスクも大きいようだ。30代の自営業の男性・Aさんは、こう話す。

「とにかくパチスロが好きで、暇さえあれば打っています。午前中に行って、閉店間際まで打つことも多いです。でも、打ち終わった後の体の倦怠感はとんでもない。まったく動かずに打ち続けているので当然なのでしょうが、肩こりもヒドイし、腰痛もヒドイ。パチンコ店からマッサージ店へとハシゴすることもあります。あと、私の場合、丸一日打ち続けた後は便秘になってしまうことも多いです」

 また、肉体的な不調だけでなく、“におい”の変化も大きいという。

「やはりパチンコ店はタバコを吸う人も多くて、においが気になりますね。一日中打ってると、洋服は完全にタバコ臭くなってしまう。カバンなんかもかなりタバコ臭くなります。冬場は、普段使いのコートと“パチンコ店に行く用のコート”を使い分けていました」(藤井氏)

 体調不良やにおい問題など、デメリットがこんなにも多いのに、なぜパチンコ・パチスロを打ち続けるのだろうか。

「これがギャンブルの怖いところ、ということでしょうね。パチンコ・パチスロにはやはり特有の楽しさや中毒性があって、多少のデメリットがあっても打ちたくなってしまうもの。単純に“お金を増やしたいから”というだけではない魅力がある。だからこそ、依存症の問題にもっと真剣に取り組む必要があるということです」(藤井氏)

 体調不良を押してまで打ち続けるパチンコ・パチスロファンの現状を知ればこそ、より健康的なパチンコ・パチスロの実現が求められるのだ。

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