食品の「使いまわし」をする度に…
それだけでも衝撃だが、河岸さんによれば「消費期限」ですらスーパーの思い通りだという。
「総菜の消費期限は、それぞれのスーパーの現場が、経験や慣例をもとに“適当に”決めているのが現実。『次の商品ができるまでは持たせよう』など、彼らの思いのままなのです」(河岸さん)
指導を行う立場の保健所に確認したところ「たしかにバラ売りの食品には食品表示義務はないものの、ガイドラインに基づき、消費期限の設定や表示を指導しています。しかし義務ではないため、従わなくても法的に罰せられることはありません」(東京都千代田区保健所生活衛生課)と言う。
つまり、知らないうちに傷んでいたり、出所がわからない危険な食品を口にしている可能性が高いことになる。
食品の「使いまわし」も多くのスーパーで行われている。
「たとえば魚なら、最初は生のまま丸ごと売る。売れ残ればさばいてサク(柵)に、さらに刺身として陳列。それでも残ったら、揚げてフライとして並べ、最終的にはフライ弁当にする。こういったことはわりとどんなスーパーでもやっていますよ。製造日は『最終加工日』のことだから、加工のたびにあらためて設定できる。どんなに古い食材を使っていても法律上は問題がないから、明るみに出ず、取り締まることもできないのです」(河岸さん)
※女性セブン2020年3月5日号