食品表示アドバイザーの垣田達哉さんによれば、弁当でも同様のケースがあるという。
「中国産の『うなぎの蒲焼き』は単品であれば産地表示が必要ですが、ご飯を敷いて『うなぎの蒲焼き弁当』となった途端、ご飯や漬けものがついてきて、うなぎが全体の50%以下になるため産地表示が不要になります。国産にこだわる人が多い時代ですが、弁当になると無頓着になるのは不思議なものです」
まさに「法の隙間」を突く巧妙なやり方だ。彩り豊かで味もおいしいサラダも総菜の人気メニューの1つだが、これも産地表示の必要はない。なかには、こんな恐ろしい原材料が含まれているかもしれない。
「サラダに使われる野菜は基本的にハウス栽培された外国産野菜だと思った方がいい。主に中国産が多いのですが、中国産野菜は化学肥料の窒素過多で、亜硝酸塩窒素が多く含まれている可能性が高い。これらの野菜を食べ続け、糖尿病を引き起こしたとの研究報告があります」(郡司さん)
リスクがあるのはおかずだけではない。河岸さんは、ご飯にこそ危険が潜むという。
「温かいままのご飯をおかずと一緒に保存すると菌が増殖しやすい。特に野菜にはどんなに洗っても微量の細菌が付着しているため危険度が高まる。野菜を敷いた上に肉があって、温かいご飯と同じ容器に常温で陳列しているような弁当は最悪の場合、細菌により死に至ることすらあるのです。コンビニの弁当類は、そういった事態を防ぐため、ご飯を詰める際に急速冷却します。15~60℃は菌が繁殖しやすいので、その危険温度帯に入らないよう厳密に温度管理をするのが鉄則です」
たしかに、コンビニではお弁当や丼ものは、一定の温度が保たれた冷蔵コーナーに陳列されているが、常温で並んでいるスーパーは多い。産地や添加物に問題がなかったとしても、食べるだけで健康を損なうリスクがある。
※女性セブン2020年3月5日号