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年金受給、「絶対に繰り上げを選ぶべきタイプ」の夫婦とは

年金「繰り上げ受給」を選んだ方が得をする人は?

年金「繰り上げ受給」を選んだ方が得をする人は?

 年金を受け取る時は、「繰り上げ受給」や「繰り下げ受給」を選択することができる。「繰り上げ受給」は、早く受け取る代わりに受給額が減る。具体的には、1か月早めるごとに0.5%、1年で6%減額される。5年早めて60才から受け取るようにすると、受給額は30%減る。一方、「繰り下げ受給」は、1か月遅らせるごとに0.7%、1年で8.4%増えるので、70才から受け取ると42%増えることになる。

 どちらを選ぶと得になるのかは、「何才まで生きるか」によっても左右されるが、迷うことなく、絶対に「繰り上げを選ぶべきタイプの夫婦」というのも存在する。収入が年金のみの世帯の場合、夫婦の年金収入が「年211万円」を少しだけ超えそうならば、すぐにでも繰り上げ受給をした方がいい。

 上限は自治体によって多少異なるが、たとえば東京23区などの大都市では、世帯の年金収入が年211万円(月額約17万6000円)を超えると、健康保険料や介護保険料などの社会保険料が上がり、医療費の自己負担分を減らす「高額療養費制度」の自己負担上限額も引き上がる。ブレインコンサルティングオフィス代表の北村庄吾さんが指摘する。

「繰り上げ受給で年金額を211万円以下に減らしておけば、『住民税非課税世帯』となり、住民税の免除や、医療費の減額または免除など、さまざまなメリットがあります」

 具体的には、こんな例もある。

 都内に住む千佐子さん(68才)と幸恵さん(66才)姉妹は、1月に届いた源泉徴収票を見比べて驚いたという。千佐子さん夫婦は、月々の年金が18万円だ。一方、「夫が62才でリタイアした」という幸恵さん夫婦は、年金を「前倒し」で受け取ったので、少しだけ年金が減って、月々17万5000円。計算上、姉の千佐子さん夫婦の方が月に5000円、年にして6万円多く受け取っているはずだった。

「“手取り収入”を見比べると、妹夫婦よりも10万円も少なかったんです! しかも、妹はかかった医療費はたくさん戻ってくるし、介護費用の自己負担も少なかった…。年金額の“額面”が大きい分、私の方がかなり損をしていたんです」(千佐子さん)

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