日本にスマートフォン(以下、スマホ)が登場してから今年で12年。つまり、現在の小学生は生まれたときからスマホがあった世代なのだ。スマホに子守りをしてもらい、小学生になれば勉強や娯楽、友達とのコミュニケーションツールとして活躍。何より日常生活を便利にする道具として、親が後生大事に扱う姿を身近で見続けてきた。
一方で、スマホを持つ小・中学生が巻き込まれる事件も多発している。例えば、SNSで知り合った大人から性被害に遭ったり、LINEによるいじめ、ゲーム依存などだ。こういった報道がされるたびに親が不安になるのも当然だろう。しかし、「ほとんどの子にトラブルはないと思って大丈夫です」と、スマホ安全アドバイザーの鈴木朋子さんは話す。
「いま、小学生の約40%(※1)が、自分のスマホを持っています。主な使い途は動画閲覧ですが、1日の平均閲覧時間は44分(※2)と意外に少ないことがわかっています」
【※1/『今年初めてスマートフォンを持つ子どもの親に関する意識調査』(MMD研究所の2020年調査より)、※2/『小学生白書』(学研教育総合研究所の2019年調査より)】
とはいえ、実際にスマホを持つ子供がいる家庭からは、さまざまな声が聞こえてくる。
「塾に通う息子と連絡を取るため、小5のときにスマホを与えました。ところが、1日に7時間もスマホで動画を見ていたことが! 取り上げると反抗するので困っています」(40才・主婦)
このように動画の長時間視聴に関して悩む親は多い。寝ないで動画を見ている場合は、寝室にスマホは持ち込まないなどのルール作りは重要だが、子供は次第に、他人が作った動画に飽きてくるものだと、鈴木さんは言う。
「子供の動画視聴時間は、前述のように、平均すると短い。これは最初はハマるものの、その後飽きてあまり見なくなるのが一因だと思われます」