新型コロナウイルスの感染拡大とともに、リモートワークの推進や時差通勤など「働き方」において多くの変化が起こっている。そのうえで今回の動きが、将来的な日本人の働き方に大きな影響を与えるのではないか、と予測するのはネットニュース編集者の中川淳一郎氏だ。様々な会社の取り組みと、従業員の反応を見聞きしたうえで、コロナ騒動収束後の日本社会の新しい働き方を予測する。
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私は常々、仕事は合理的に遂行すべきだと提唱し続けてきました。私が経営する小さな会社にしても、唯一の従業員と同じオフィスで仕事をするのは週1回にしています。2つのオフィスを構え、お互いに風邪などがうつる機会を減らすようにしています。ただし、様々な情報共有や愚痴を言い合うことの必要性もあるため週1回は会うようにしています。
今回の騒動でリモートワークや時差出勤に加え満員電車の回避といった策を各社講じていますが、これは本当に良いことです。これまでの妙な体育会系的な仕事のやり方がおかしかったことに多くの人が気付いたのではないでしょうか。
やや気は早いですが、コロナ騒動が収束した後、日本の“働き方”はけっこう変わるのではないか、という期待があります。これまでは、鎌倉武将の「滅私奉公」やら高度成長期の「モーレツサラリーマン」的な働き方についても、「それってどーなの?」と誰もが思いつつも容認されてきました。ですが、これからはより合理的な働き方を目指す方向に進んでいくのではないでしょうか。
もちろん、工場で手を動かす人や農業や漁業に従事する人々は、現場に行かなければ仕事にならないでしょうが、ネットが発達した今、事務系の多くの仕事は会社に行かなくても遂行可能です。実際、今回、初めてリモートワークに挑戦した人も、思いの外、スムーズに仕事できることに気づいたのではないでしょうか。今後は、会社に行かないと「誠意がない!」みたいにクレームを入れる風潮もなくなっていくと思います。