インバウンド需要の減少で打撃を受けた「旅行」関連も要注目だという。
「一時的に落ち込むとはいえ、国内線、国際線ともに首位で業績もよく、株主優待や配当などが魅力的なANAホールディングス(9202)はその筆頭でしょう。地域限定菓子『ルタオ』など、お土産用の菓子製販会社を統括する寿スピリッツ(2222)も観光客の回復が見込めるようになれば株価の戻りが期待される」(同前)
在宅勤務、遠隔医療
マーケットアナリストでケイ・アセット代表の平野憲一氏は「もともと有望テーマと見られていた銘柄では、コロナショックを機に重要性が改めて認識され、今後さらなる上昇が期待されるものもある」と語り、次世代通信規格「5G」や、「半導体」を挙げた。
「『5G』は今年から本格的に実用化される上に、テレワークやオンライン学習の需要を受けて一気に火がつくと予想されます。ハイテク関連の代表格であるアドバンテスト(6857)やソニー(6758)、通信関連のシステム構築などに強みを持つアドソル日進(3837)などは注目です」
感染拡大で「遠隔医療」の需要も高まると予想するのは、カブ知恵代表の藤井英敏氏だ。
「従来から地方の医師不足などで遠隔医療への注目は高まっていた分野です。昨年12月に上場したばかりのメドレー(4480)は、医療介護分野の人材紹介やオンライン診療のプラットフォームに将来性があります」
経済ジャーナリスト・有森隆氏は、フリマアプリのメルカリ(4385)に注目する。
「巣ごもり需要で注目される上、今春には新宿マルイ本館に初の実店舗を展開するなど利便性向上を図っており、今後の上昇が見込めます」
市場混乱の最中でも、投資家は常に「その先」に目を凝らしておきたい。
※週刊ポスト2020年3月20日号