全国で実施されている小中高校の「一斉休校」。新型コロナウイルス感染拡大防止のためとはいえ、特に小学生を抱える家庭ではさまざまなトラブルが発生し、パニックに見舞われているという。未曽有の“長い春休み”は子育て家庭に何をもたらしているのか。声を集めた。
都内の小学5年生男子を抱える家庭では、家庭内バトルが絶えない。休みに浮かれる子どもに母親(40代)が先制パンチを浴びせた。
「本来なら学校と同じ時間、勉強しなくちゃいけないけど、そこまで言ってないんだから、せめて午前中は勉強しなさい」
「これやったらやるよ」とゲーム機を片手に言い返す子ども。見かねた母親が「ゲームは勉強してから。早く終わらせて!」と畳みかける。
「はいはーい」と勉強を始めたふりを見せるが、やがてテレビのリモコンに手を延ばす。テレビをちょこちょこ横目で見ながら勉強する子どもの姿に、時差通勤でまだ家にいた父親(50代)も「おまえ、いっつもそうなのか! 勉強やってからテレビとか、ちゃんと切り替えろ!」と怒り爆発。
「はいはい、わかりましたよ。言う通りにしますよ」という子どもの物言いが、父親には日頃目につく会社の部下の言い訳とかぶって聞こえたのか、次の瞬間、子どものそばにあったリモコンを思いきり投げつけた。
ガシャーン! リモコンのフタやボタンが飛び散り、リモコンは使用不能に。これからの「巣ごもり」生活に欠かせないはずのテレビを見るにも、いちいちテレビ本体の小さなボタンを押さなければならなくなってしまった……。壊れたリモコンを手に後悔しつつ、父親の怒りは収まらない。