投資

コロナ・ショック、株式市場の底値&回復時期をどう読むか

 市場関係者の間では「すでに米シェール業者の信用リスクが警戒され始め、場合によっては淘汰の波が押し寄せるかもしれない」との声も出ており、米国経済の成長の一角を担ってきたシェール業界への影響が懸念されている。さらに、問題は米国だけにとどまらない、と戸松氏は指摘する。

「信用力の低い米国企業向けの貸出債権を束ねた金融商品『ローン担保証券(CLO)』が拡大していますが、その大部分はシェール関連企業が占めているといわれています。シェール業者は石油関連企業に比べ企業体力が弱く、このまま原油価格が安い状態が長く続けば、破綻する企業も出てくるかもしれません。

 そしてそこからが問題です。このCLOは農林中央金庫をはじめ日本の銀行・金融機関が大量に保有しています。世界的な低金利で投資先が限られる中、日本の金融機関は利回りの高いCLOへの投資を拡大してきましたが、それが問題となってくる可能性があるのです」

 同時に円高が進んでいることも日本株にとってはマイナス材料だという。

「米国の利下げや今後の利下げ見通しによるドル安に加え、このようなリスクオフ時には対外純資産を一番多く抱えている日本円が買われる傾向があるため、これまで抵抗線となっていた1ドル=105円を大きく割り込んでいます。いったん持ち直すような動きも見られましたが、このまま円高傾向が続くようなら、来期の業績予想は悪い数字が出てくる可能性があります。

 そうした懸念材料が次々と噴出してくれば、最悪のケースでは、日経平均株価はPBR(株価純資産倍率)0.8倍程度となる1万7000円水準を割り込んでくるようなケースもありうるでしょう」(同前)

金融緩和に加えてコロナ対策の財政投資拡大

 もっとも、ここまで悪い内容ばかり触れてきたが、あくまでこれは最悪のケースの話だという。

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