新型コロナウイルスの感染拡大を受け、多くのスポーツ、音楽、演劇などのイベントは中止となり、観光施設や遊興施設の営業休止も相次いでいる。また、競馬やボートレースなどの公営ギャンブルでは“無観客開催”となっているが、その一方で不特定多数の人が集まるパチンコ店は営業を続けているケースがほとんどだ。
その一方で、和歌山や大阪などでは、感染者の来店が確認されたことで臨時休業するホールも出ている。不要不急の外出を避けるように政府から要請されているなか、パチンコ店は一体どんな様子なのだろうか。パチンコ業界に詳しいフリーライターの藤井夏樹氏が、都内のパチンコ店の現状をレポートする。
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日本全国が新型コロナウイルス対策に奔走するなか、パチンコ店でも対策が始まっている。警察庁は2月27日、全国のパチンコ店に対し、新型コロナウイルス感染対策の強化を要請した。パチンコ機のハンドルやパチスロ機のレバー・ボタンなど、不特定多数の客が触れる場所の消毒を徹底するほか、従業員にはテレワークや時差通勤を求めるなどしている。
これを受け、多くのパチンコチェーンは、従業員のマスク着用を義務づけたり、営業時間を短縮したりするなど、様々な感染対策を実施している。店内にアルコール消毒液を設置し、消毒や手洗いを呼びかけるホールも多い。
しかし、実際にホールに足を運んでみると、意外とこれまでと変わらない光景が広がっていた。
半数以上の客はマスクをしていない
3月上旬の平日、都内有数の繁華街にある大規模ホールAを訪れた。設置台数は800台以上で、かなりの人気店として知られるホールである。