感染対策を実施したうえで開催される小規模ライブも
現段階では、大手事務所に所属する有名アイドルグループのコンサートやイベントのほとんどが、3月いっぱいまでを目処に中止・延期となっている。もちろん4月になったら再開されるという保証もない。一方で、小規模の会場のライブについては、運営サイドが感染対策を実施したうえで開催されているケースもあるという。
「観客1000人規模以上のライブはほぼ中止・延期ですが、数百人規模以下のライブは実施されているケースもあります。来場者に対して検温をして、37.5℃以上の場合は入場できないなどといった形で感染予防をするライブもあります。また、CDやグッズ購入者向けの特典会も握手はやらないけど、マスクを着用したうえでのチェキ撮影はするというケースも多い。感染予防をしながら、どうにかライブを開催できるように苦心しているようです」(大塚氏)
とはいえ、大阪のライブハウスで集団感染が確認されたように、そもそもライブハウスは感染リスクが高い場所だと指摘されている。今の社会情勢から考えると、ライブ決行を判断する運営側も、そこへ足を運ぶファンたちも、どちらも批判に晒されかねない状況だ。
3月で解散するこぶしファクトリーのファンの悲しみ
そんな中、もともと3月で解散することが決まっていたグループもある。ハロー!プロジェクトの5人組「こぶしファクトリー」だ。3月4日にはラストシングルが発売されたが、2月29日以降のリリースイベントやファンクラブイベントはすべて中止となってしまった。こぶしファクトリーを結成時から応援しているという40代の男性会社員・Dさんは、大きなショックを受けている。
「シングル発売週に行われる予定だった全部のリリースイベントに行くつもりで、仕事も調整していたんですが、無駄になってしまいました。サイン会もチェキ会もなくなって、ほとんどメンバーたちと会えないまま解散してしまうことになる。どうしようもないことだけど、本当に残念で仕方ないです。
でも、ちょっとでもこぶしファクトリーのためになればと思って、ラストシングルは20枚ほど買い増ししました。もちろん買ったところで、握手ができるわけでもなんでもないんですが、せめて最後の思い出として何かをしたかったんですよね……」
ライブやイベントの中止・延期で打撃を受けるアイドルたちを救おうと、必死になるファンたちも多い。しかし、この状況が続けば、そのファンたちもまた疲弊していくのは間違いないだろう。アイドル業界が総崩れにならないためのアイディアが必要となりそうだ。