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69%が望むが現実は13%…「最期は自宅で」の思いを阻む壁

山口:私は母の容体に変化があったとき、先生や看護師のかたにご連絡できたことで、どれだけ安心できたか。実際、救急車を呼んだときも、先生たちに伺った上で判断できたので後悔せずに済みました。でも実際には、ご家族がパニックになって瞬発的に救急車を呼んでしまうことで、本人の希望が叶えられないことも多そうですね。

山中:普段の往診のときから、何かあったときは119番ではなくまずは診療所に電話をしてくださいと伝えています。私はいつ電話がかかってきても対応できるよう、ベッドでもすぐに動ける服をいつも着ており、寝るときも枕元に携帯電話を置いています。それでも救急車を呼んでしまうかたも少なくありません。

 東京都では、患者の家族が延命措置を望まない場合、かかりつけ医師の許可を得て、延命措置を中止する方向性を出しました。ただ、そのような「家族との最期の時間」では、かかりつけ医の意向も無視していいと思います。現場の救急隊が「患者や家族の思いに寄り添う」そんな仕組みになればいいと思っています。

山口:ぜひそうなってほしいです。高齢者に心臓マッサージをやったらあばら骨が折れてしまいます。若かったら別ですが、母は91才でしたから痛い思いはさせないでほしいと、ずっと思っていましたから。

※女性セブン2020年4月9日号

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