今週は、いよいよ新型コロナウイルスの影響を織り込み始めた経済指標の発表が相次いでくる。先週末に先んじて発表された週間の米新規失業保険申請件数は過去最大の300万件程度と市場予想を大きく上回る急増ぶりをみせ、雇用情勢の不透明感が強まったものの、米国市場も日本市場も経済対策への期待の方が勝る格好となっていた。予想を超える程度の悪い指標が出ても、相場は既にそこまで織り込んでいるということなのか、まだ見極めがつかない状況だ。
しかし、今週は4月1日(水)に日銀短観、米ADP民間雇用統計、米ISM製造業景気指数、3日(金)には米雇用統計、米ISM非製造業景気指数など主要な経済指標が相次いで発表される。
日銀短観については、事前の市場予想では、大企業製造業の業況判断指数(DI)が7年ぶりにマイナスに転じるとの見方が広がっており、国内景気の先行きに対する強い警戒感が浮上している。
また、その他の米雇用統計や米ISM製造業・非製造業景気指数などは、上述の米新規失業保険申請件数よりも相当に重要な指標である。それ故、さすがにこの辺りの各経済指標が軒並み予想値を大きく下回るということがあれば、市場も反応せざるを得ないのではないかという懸念がある。
2008年のリーマンショック時には二番底があったが、今回もこれが警戒されている。時間軸を重ねれば、今回の二番底がくるのは7月、8月あたりだ。実体経済への影響度合いを確認するまでは相場の方向性には確信が持てないため、安易な押し目買いは控え、今週から発表される経済指標を一つ一つじっくりと確認していくことが大事となろう。