さまざまなことがデジタルで楽しめるようになった昨今だが、アナログでも売り上げ規模が伸びている娯楽がある。矢野経済研究所が今年発表した調査結果によれば、2018年度の国内の主要玩具市場規模は、前年比4.3%減。そのような逆境にも関わらず、「トレーディングカードゲーム」は前年度比30.2%増の435億円を売り上げるなど、市場が大きく拡大しているのだ。
いまトレーディングカードゲームで遊ぶのは子供たちばかりではない。大人の愛好家たちに、その楽しみ方を聞いた。
20代の男性会社員・Aさんは、中学生の頃からトレーディングカードゲームを嗜んでおり、自宅でのカードの保有枚数は数千枚にも及ぶほど。現在も3種類のゲームを並行して遊んでいる。
「魅力は手札をもとに、運と戦略を通じて勝負する高揚感と、レアなカードを集めるコレクション性。数か月に一度、新商品が発売されると、対戦で使われる戦術などのトレンドも変わるので飽きません」(Aさん)
YouTubeやブログで情報収集に励むほか、少しでもカードをお得に手に入れるべく、カードショップに足を運んだり、専用のフリマアプリで値段を調べたりすることを怠らない。楽しんではいるが、「金のかかる趣味」と感じることもある。
「対戦に必要なカードを買い揃えるまでに数万円かかるし、付属品やカードカバーなどの消耗品も多い。毎月の出費は1万円前後に上ります」(Aさん)