実際、リーマン・ショックの前から積み立て投資を続けている人は、安値圏で含み損に耐えながらも投資を続けてきたのが奏功し、今でも十分な含み益を残している。中には「下落している間は積み立てをやめて、回復してきたら再開しよう」という人もいるかもしれないが、それは積み立て投資の最大のメリットを放棄し、将来の利益を小さくしてしまう行為である。
長期投資をしていればこうした苦しい局面は必ずあるが、投資額が少ないうちに経験できたのはむしろ幸運であるともいえる。ただ、こうした時期に現金が必要な時期が重なって換金を余儀なくされることがないよう、生活費の半年分程度は生活防衛資金として現金で持っておくことは鉄則だ。それができていないのに投資をしているとしたら、それはリスクの取り過ぎなので、資産の内訳を再確認しておきたい。
文■森田悦子(ファイナンシャルプランナー/ライター)