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子供の将来の収入を左右する「非認知能力」を育む6つのコツ

過干渉をやめて、子どもにどう接するべきか?(イメージ)

過干渉をやめて、子どもにどう接するべきか?(イメージ)

 昨今話題のブラック校則も、言い換えれば「過干渉」の1つといえる。何をしていいのか、あらゆることを、子ども自身が考えて判断する前に、校則で規制してしまう。それはつまり、子ども自身の「考える力」を奪ってしまうことにつながる。そうさせないためには、家庭や学校教育の現場で過干渉をやめることが何より大切だ。

 では、過干渉をやめると同時に、大人はどう子どもに接していけばいいのか。校則を撤廃したことで知られる東京・世田谷区立桜丘中学校で、実際に行われてきた以下のことがヒントになりそうだ。

(1)子どもが言うことを否定しない (2)子どもの話を聞いてあげる (3)子どもに共感する (4)アタッチメントなど子どもとの触れ合いを積極的に行う (5)能力ではなく努力を褒める (6)行動を強制しない

 つまり、子どもの声に耳を傾け、子どもに寄り添う時間を持つということ。なぜこの6つの方針を導入したのか、新刊『「過干渉」をやめたら子どもは伸びる』(小学館刊)の共著者の一人で、同中学校の校長を務めた西郷孝彦さんは説明する。

「桜丘中学校では、数値化できる『学力』ではなく、一貫して数値化が難しい『人間力』を育むためにはどうしたらいいのかにトライし続けてきました。その1つが『非認知能力』を育むこと。実は、これら6つは、非認知能力を育むために重要と考えられている項目です」(西郷さん・以下同)

 非認知能力とは、コミュニケーション能力や感情を制御する能力、さらには自尊感情や粘り強さといった、「社会情緒的能力」のことを指す。近年の研究では、非認知能力の高さが、将来の収入と関連することもわかってきている。ノーベル賞を受賞した米の経済学者、ジェームズ・J・ヘックマン教授が、「非認知能力」を高めるための教育を受けた子どもたちと、そうでない子どもたちを追跡調査した結果、親の収入に関係なく、40年後には前者のグループと後者のグループで、歴然とした差が出たというのだ。

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