3日の日経平均は、2日のNYダウが原油相場の急伸を受けて3日ぶりに反発した流れを受けて小反発で始まったものの、一時マイナスに転じた。週末というカレンダー事情に加え、米国の3月雇用統計の発表を日本時間3日夜に控えて様子見ムードが台頭したほか、時間外取引での米株価指数先物の下落も懸念された。しかし、大引けにかけて引き戻し日経平均は1.47円高の17820.19円と5日ぶりに下げ止まった。TOPIX(東証株価指数)は5日続落だった。個別では新型コロナウイルス感染症患者を対象とした抗インフルエンザウイルス薬「アビガン」の原料供給を発表したデンカ<4061>が人気化して値を飛ばした。
今週の日経平均は、引き続き下値を探る展開となりそうだ。スペインなど欧州の一部では新型コロナウイルスの感染ペース鈍化がみられ始めたものの、現在の焦点は米国の感染拡大であり、国内では非常事態宣言やロックダウン(都市封鎖)リスクを抱え、リスク回避姿勢の継続が予想される。引き続き、新型コロナのニュースフローで下振れしやすい地合いともなるだろう。
また、5月半ばまでは、新型コロナウイルスの影響が反映された経済指標と企業決算の発表が、国内外ともに続き、かなり厳しい結果に直面することにもなる。今週9日には、ローソン<2651>と7&iHD<3382>の2020年2月期決算、日経平均への寄与度が大きいファーストリテ<9983>の第2四半期(9-2月)決算発表と3月の国内ユニクロ売上推移速報がそれぞれ発表される。
一方で、日経平均は、先週に週間ベースで1500円超、今年に入り3カ月連続マイナス(3月は月間2225.95円安)で、4月に入って3日までで1000円強の下げを見ていることから、短期的なリバウンドが生じても不思議ではない。現状は3月最終週のリバウンド一巡から再反落の形となっており、これを打ち消すには低下してきている5日移動平均線(18341円)を回復することが第一条件となる。
これを回復出来ない間は下げ途中のアヤ戻しと見ておくべきだろう。日経平均の上下で、相場のムードが大きく変わるボライタルな展開が予想される。物色的には、新型コロナウイルスワクチン・感染症薬開発、テレワーク、遠隔医療、人工呼吸器、巣ごもり消費といったテーマでの循環物色が見込まれる。
今週の主な国内経済関連スケジュールは、6日に3月消費動向調査、7日に2月毎月勤労統計調査、2月家計調査、2月景気動向指数、8日に2月機械受注、2月国際収支、3月景気ウォッチャー調査、9日に3月都心オフィス空室率、3月消費動向調査、3月工作機械受注、4月の地域経済報告(さくらリポート)、10日に3月国内企業物価指数がそれぞれ発表される。
一方、米国など海外主要スケジュールは、7日に米2月消費者信用残高、8日にFOMC議事要旨、9日に米3月生産者物価指数、米4月ミシガン大学消費者マインド指数、10日に中国3月消費者物価・生産者物価指数、米3月消費者物価指数、グッドフライデー(聖金曜日)で米・英など休場が予定されている。