老後の生活設計を考える上で、多くの人が60歳以降も働くことを検討しているだろう。サラリーマンが60歳以降に雇用延長や再就職で働くと、国の雇用保険からもらえる給付金がある。『週刊ポストGOLD あなたの年金』より、そのポイントと「賢い会社の辞め方」を紹介しよう。
まず基本は「失業給付」。雇用保険に20年以上加入していた場合、定年退職後の失業期間(就活期間)は最大150日まで失業給付を受給することができる。
次に、働き出してからもらえるのが「高年齢雇用継続基本給付金」と「高年齢再就職給付金」だ。いずれの制度も60歳以降の月給が定年前(60歳到達時)の75%未満に下がった場合、新給料の最大15%(2025年度から10%に引き下げ予定)が支給される。
どちらの給付金がもらえるかは、定年後に「失業給付」を受給したかどうかで決まる。
◆高年齢雇用継続基本給付金……60歳定年後も同じ会社で雇用延長するか、退職して別の会社に転職しても、その間、失業給付を受給しなかったケースが対象。支給期間は65歳になるまでの最長5年、雇用延長期間はずっと新給料の最大15%が補填されることになる。
◆高年齢再就職給付金……定年後にいったん退職し、失業給付を受給した後に再就職したケースはこの給付金になる。新給料の最大15%という支給額は同じだが、最長2年間(65歳未満まで)までしか支給されない。給付期間は失業保険の支給残日数が100日以上残っていれば1年間、200日以上なら2年だ。
そのため、「60歳以降は転職して新天地で力を試したい」と考えている人は、もらえる給付金の金額と失業給付の金額を比較して、失業給付をもらうかどうかを判断したほうがいい。