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【日本株週間見通し】日経平均は4日続伸、19000円台を固めるのか

 9日のNYダウは285.80ドル高の23719.37ドルと続伸した。FRB(米連邦準備制度理事会)が追加支援策を導入し、中小企業、州・地方自治体支援などで最大2.3兆ドル(約250兆円)の融資を提供すると発表したことなどを好感した。この流れを受けて10日の日経平均は反発して始まり一時マイナス圏もあったが、日銀のETF買い期待などから買い戻されて、大引けにかけて再び上昇した。なかで、前日の上期決算発表で通期予想を下方修正したファーストリテは、アク抜け感から6日続伸となった。大引けの日経平均は152.73円高の19498.50円だった。なお、10日の米国市場は、グッドフライデー(聖金曜日)の祝日のため休場となる。

 今週の日経平均は、強弱感が対立するなか19000円台を固める展開となるかが焦点となる。安倍総理大臣が7日に7都府県を対象とした「緊急事態宣言」を発令したことを受けて、米国の新型コロナウイルスの感染者・死亡者数と東京都の感染者数の動向が、東京市場を左右する焦点となっている。米国では、ニューヨーク州クオモ知事が条件付きながら数週間以内に感染者数が安定する可能性を指摘、米国立アレルギー感染症研究所所長が新型コロナウイルス感染者数のピークアウトを示唆するなど、前向きな発言が出てNYダウは切り返しに転じている。

 一方、国内は東京都や都市部での感染が拡大する状況下、リスクオフになりやすい展開となっている。そのため、日経平均は戻り待ちの売りも出やすく、19500円近辺が20000円を前にした一つのフシとなり始めている。ここで戻りが止まると3月25日の戻り高値19564円に対する2番天井ともなってしまう懸念がある。先物市場では、ボラティリティの高い状況も続いているため、上値の重さを意識する展開が継続しそうだ。

 15日の米3月小売売上高、17日の中国1-3月期GDPなど、米中の主要経済指標の発表が相次ぐことも波乱要因だ。一方、日経平均は約1カ月半ぶりに25日移動平均線を7日に回復した。右肩下がりのチャート形成の中での上抜けのため、信頼性には欠けるものの1カ月ぶりにようやく点ったテクニカル上のサインでもある。

 需給面では、海外投資家の動向が注目される。東証が9日に発表した4月第1週(3月30日~4月3日)の投資部門別売買動向では、海外投資家は現物と先物の合算で8週連続の売り越しを継続した。しかし、現物ベースの売越額は前週の9517億円規模から654億円と大幅に縮小している。海外投資家の売り圧力が弱まれば、日経平均は19000円台を固める展開となってこよう。弱気の見方は多いものの、相場はそうした弱気派を押し返す強さも見せ始めていることも確かだ。

 物色面では、オンライン診療、巣ごもり消費といった人気テーマの循環物色にも、やや買い疲れのムードが出てきたため、材料が浮上した個別株物色に傾斜することが予想される。

 今週の主な国内経済関連スケジュールは、13日に3月マネーストック、15日に3月訪日外客数、16日に3月首都圏新規マンション発売が予定されている。

 一方、米国など海外主要スケジュールは、13日に米3月財政収支、英国、香港市場休場(復活祭の月曜)、14日に中国3月貿易収支、米3月輸出入物価指数、15日に米3月小売売上高、米4月NY連銀製造業景気指数、米3月鉱工業生産・設備稼働率、米2月企業在庫、米4月NAHB住宅市場指数、米地区連銀経済報告(ベージュブック)、16日に米3月住宅着工件数、米4月フィラデルフィア連銀製造業景況感指数、米3月建設許可件数、G20財務大臣・中央銀行総裁会議(日程を17日までに短縮しテレビ会議)、17日に中国1-3月期GDP、中国3月工業生産、中国3月小売売上高、中国3月都市部固定資産投資、米3月CB景気先行総合指数、EU3月消費者物価指数、IMF・世界銀行春会合(19日まで、テレビ会議)が予定されている。

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