投資情報会社・フィスコが4月13日~4月17日のドル円相場の見通しを解説する。
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今週のドル円は底堅い値動きか。欧米諸国での新型コロナウイルス感染はピークアウトの兆しが出ているが、日本での感染拡大が警戒されており、市場関係者の一部はドル買い・円売りにつながる可能性があると見ている。米連邦準備制度理事会(FRB)の新たな緩和策もあり、3月中に大きく売り込まれた米国株式は反転していることから、一部でリスク選好的なドル買いが観測されている。小売売上高など米国の経済指標は弱く、ウイルス感染が将来的に終息に向かってもすみやかな景気回復は難しいとの理由でリスク選好的なドル買いが大きく広がることは期待できないとの見方も少なくない。
それでも、FRBは、中小企業、州・自治体を支援するため、最大2.3兆ドルの融資提供を表明している。トランプ政権による2兆ドル規模の大型経済対策も成立しており、米国経済の先行き不安はやや緩和されていることから、リスク回避的なドル売り・円買いがただちに広がる可能性は低いとみられる。
また、17日発表予定の中国の1-3月期国内総生産(GDP)も注目されている。経済成長率は大幅なマイナスとなる見込みだが、市場予想とおおむね一致した場合、中国経済の早期回復への期待が高まり、株高を通じてリスク選好的なドル買い・円売りを誘発する可能性もある。
【米・3月小売売上高】(15日発表予定)
15日発表の3月小売売上高は、前月比-6.4%と予想されるが、新型コロナウイルスの影響による雇用情勢の悪化で個人消費の落ち込みは予想を上回る可能性がある。
【米・4月フィラデルフィア連銀景況調査】(16日発表予定)
16日発表の4月フィラデルフィア連銀景況調査(製造業景気指数)は-25と予想されており、大幅に低下する見込み。コロナウイルス感染終息後の景気回復は緩慢になるとの見方から、市場予想を多少上回ってもドル買い材料にはなりにくい。