新型コロナウイルスの影響でマスクや消毒液が品薄になって早3か月。状況は一向に解消される気配がなく、むしろ悪化し始めていた。耳目が早い人たちはこれからのさらなる“緊急事態”に備えている──。
WHO(世界保健機関)は、4月11日、「国際市場における食料不足が起きかねない」とする声明を発表した。感染症対策の移動規制で物流が遮断されていることに加え、自国の市場を優先する一部の食料産出国が輸出の規制に乗り出したからだ。
農林水産省は、ホームページ(4月14日現在)で《食料品は十分な供給量・供給体制を確保しています。コメや小麦の備蓄についても十分な量が確保されています》と発表している。だが、このまま輸出規制が広がれば、国際市場における食料不足や価格の高騰は充分ありうる話だろう。ある商社勤務の男性は次のように語る。
「いま、商社マンの妻たちがこぞって小麦製品を買っているそうです。農水省の発表とは裏腹に商社で働く人の多くが、今後の小麦粉の輸入に対して危機感を持っていることを妻に話したからでしょう……」
新型コロナウイルスの特効薬が開発され、世界中に行きわたるまでは、人々の不安心理は消えないだろう。仮に、インフルエンザのように季節性であれば、夏に感染が一旦終息する可能性がある。しかし、冬にまた流行が起きれば同じ状況に戻ることになる。世界中が経験したことのない危機的局面を迎えているいま、われわれは「最悪のシナリオ」を想定し、「備蓄計画」を考える必要がありそうだ。
「決して買いだめを推奨するわけではありません。また、これから挙げる商品が全くなくなる可能性は低いですが、少し先の未来を想定して、必要な分だけを買うなど賢く行動するべきです」(調達・購買コンサルタントの坂口孝則さん)
5月の連休は国民が全員、旅行にも行けず、自宅にこもる。食料品などの消費は一層増える。早ければ、その頃から品薄になったり、値段が高騰する商品が出始めてもおかしくない。いまから賢く準備しておく必要がある。