新型コロナウイルスの感染拡大が報じられるようになってから、食料から日用品に至るまで、買い貯めする人々が増え、小売店に行っても手に入らない状況が起こった。そこで、普段から「備蓄」することの大切さが改めて注目されている。
食料品の備蓄については、農林水産省や各自治体から備蓄量の指標が出ている。農林水産省が提案している大人1人が3日間、1週間生活するのに必要な主食(エネルギーおよび炭水化物の確保)、主菜(たんぱく質の確保)の食品としては、主食は米を中心にしているが、各家庭の好みのものを組み合わせて1日3食、3日分で9食、1週間分で21食だ。
では、マスクやトイレットペーパーなどの日用品は、どのくらい備蓄すればよいのだろうか。
「備蓄といっても、大地震なのか、パンデミックなのか、災害の強弱によっても必要なものや量は違います。基本の考え方として、『日常備蓄』をしっかりしておけば、店頭からものが無くなっても1~2か月は不安なく暮らせます」(防災アドバイザーの高荷智也さん・以下同)
日常備蓄とは、ふだん必ず使う生活必需品を一定量ストックしておくこと。家族形態によって必需品の内容は違うが、いつも切れたら必ず買うものを指す。高荷さんが推奨するストック量の目安は「ふだんの買い物3回分」だ。
「私の家では、洗面用品類は洗面所、食器洗い洗剤なら台所と、備蓄品も実際に使っているものの近くに並べて保管し、1つ減ったら、すぐ補充するようにしています」
備蓄量も含め、同じ量を使いながら備蓄しておくわけだ。
「いわば、家中がお店の棚のような感じですね。押し入れやストックルームに放り込んでしまうと管理が面倒ですので、『見える化』するのがコツです。家族が少なく消費量も少ないのであれば、買い物2回分でもいいでしょう」