大塚駅ではJR山手線と都電が交差
住んでみたい街の理想と現実には、得てして大きな差があるものだ。憧れのあの街は果たして本当に素敵な街なのか？ まったくノーマークだけど、実は住みやすい街は？ 今回は「大塚」（東京都豊島区）について、ライターの金子則男氏が解説する。
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東京都には数多くの鉄道路線が走っていますが、JR山手線が最重要路線なのは疑いようのない事実です。東京、品川、渋谷、新宿、池袋、上野、秋葉原と、他の路線なら“4番バッター”になれそうな駅がずらりと並び、SUUMOの『住みたい街ランキング2020』のBEST10にも5駅（恵比寿、目黒、品川、新宿、池袋）がランクイン。問答無用の最強路線ですが、今ひとつ人気が無いのが北側の池袋～上野間です。この間の駅で『住みたい街ランキング2020』の100位以内に入った駅はゼロ。大塚駅もその中の1つですが、なぜこんなに人気が無いのでしょうか？
鉄道はJR山手線と都電荒川線の2路線。池袋まで3分、新宿まで12分、渋谷まで19分、東京まで22分と、交通の便は申し分ありません。駅の南側、徒歩10分弱の場所には東京メトロ丸ノ内線の新大塚駅もあり、そちら方面に住めば両駅の併用も可能。1度の乗り換えで、都内のほとんどの場所に行ける恵まれた環境です。
道路状況は、可もなく不可もなくといったところでしょうか。国道254号（春日通り）、国道17号（白山通り）、明治通りといった幹線道路からは微妙に離れており、首都高速の入り口までも同じく微妙に距離がありますが、駅周辺の道は概して広く、しかも交通量はあまり多くありません。大塚在住の車ユーザーなら必ず通るであろう「池袋六ツ又交差点」は都内ワーストクラスの“危ない交差点”ですので、くれぐれもご注意を。
不人気の理由は明らかだが…
池袋は「住みたい街ランキング」で5位なのに、その隣駅の大塚はなぜ100位以下なのか？ その理由は北口に降り立てばお分かりでしょう。北側の歓楽街は都内有数のピンクスポットで、風俗店、ラブホテル、キャバクラ、ガールズバーなどが立ち並んでいます。オシャレ感にも乏しく、一人暮らしの女性や子持ちのファミリー層が、積極的に選ぶ街とは言えません。
