中国国家統計局は4月17日、2020年1-3月期のGDP統計を発表した。実質GDP成長率は▲6.8%。衝撃的な落ち込みとなった。
中国の四半期ベースの統計は連続性の面でやや正確性を欠くが、それを承知の上で言えば、1992年以降でマイナスの成長率を記録したことはなく、最も低い成長率は直近である2019年10-12月期の6.0%である。その最低の成長率と比べて今回の成長率は、▲12.8ポイントも低い値となっている。
産業別では、第一次産業が▲3.2%、第二次産業が▲9.6%、第三次産業が▲5.2%であった。人の移動制限はモノ、サービスの消費に大きな影響を与えたが、第三次産業の成長率は▲5.2%に留まっている。強制的に操業を止められたり、労働力が揃わなかったことによる生産への影響は大きく、第二次産業の成長率は▲9.6%まで悪化した。
直近の状況はどうだろうか。月次の統計について、1・2月と3月のデータ(前年同期比の変化率)を整理すると以下の通りである。
鉱工業生産:1・2月=▲13.5%減、3月=▲1.1%減
固定資産投資:1・2月=▲24.5%減、3月(関連データから推計)=▲10.3%減
小売売上高:1・2月=▲20.5%減、3月=▲15.8%減
輸出(ドルベース):1・2月=▲17.2%減、3月=▲6.6%減
輸入(ドルベース):1・2月=▲4.0%減、3月=▲0.9%減
鉱工業生産、輸出では、3月は1・2月と比べ大きく戻している。4月以降のV字回復への期待が高まるが、これは強制的に生産、流通、販売などを止めなければならなかった反動による影響が大きいとみられる。そうした要因による反動が小さいとみられる小売売上高では、3月になっても大幅なマイナスを記録している。