コロナの影響で在宅勤務になった人は推定360万人(*パーソル総合研究所「全国2万人規模の緊急調査結果」2020年3月23日発表)。そのせいで家庭内が険悪になったと感じる妻は多い。その原因を精神科医・片田珠美さんはこう分析する。
「夫婦の接触時間が増えると、アラが目立つようになります。ただでさえ夫は、収入減や解雇の不安を抱え、焦っている。一方妻は、家事負担が増えた不満がある。相乗効果で負の感情が増幅するのです」
4月7日には、収入減で口論となった夫が、妻を平手打ちして殺害した事件も起こった。これは他人事ではない。
「やり場のない怒りや不安を抱えると、男性は身近にいる自分より弱い者へ、その感情の矛先を向ける傾向があります。そのため、このような事件が起きてしまうのです」(片田さん)
イライラしたときは、相手の何が不満なのかを明確にし、自分自身の感情の整理をする必要があると、夫婦問題に詳しいコラムニストの川崎貴子さんは言う。
「夫の気になる言動をなるべく具体的に書き出してみてください。そこで出てきた改善すべき部分はお互いに話し合い、一緒にいるストレスを減らさなければ、免疫力も下がりかねません」
コロナ禍での夫婦の持久戦をどう戦い抜くか。リアルエピソードをひとつ紹介しよう。