新型コロナウイルス感染拡大の私たちの暮らしへの影響は甚大だ。スーパーで働く40代女性はこんな疑問を打ち明ける。
「発熱が続いて病院に行ったもののPCR検査をしてもらえなかった同僚が、熱が下がったからと仕事に出てきているんです。大丈夫なんでしょうか?」
2人の小学生を抱える30代の母はこんな危惧を抱く。
「もし私が感染した場合、子供は登校していいのでしょうか。休めと言われても子供は濃厚接触者ですし、高齢の両親に見てもらうわけにいかないですよね…」
そうした疑問や不安は、外出制限の強いストレスによりさらにエスカレートしていく。精神科医の片田珠美さんが指摘する。
「終わりの見えない自粛によって、人間はまず“なぜ私ががまんしなければならないのか”と欲求不満を抱くようになります。そして次の段階では、“なぜこんな目に遭うのか”と、非常に強い怒りが出てくる。現在、若年層と高齢者の重症化リスクが違うことで、お互い新型コロナに対する向き合い方が違っています。そうした若者と高齢者の精神的な“世代間衝突”も日増しに増幅されていくと考えられます」
とはいえ、先が見えない自粛生活だからといって暗く過ごさなければいけないわけではない。何より、時間がもったいない。これから起こる時代の変化を予測し、それに備え、柔軟に対応する必要があるだろう。