23日のNYダウは、朝方に発表された新規失業保険申請件数の伸びが3週連続で鈍化したことに加えて、原油価格の反発、日銀の追加金融緩和の観測を好感して続伸した。しかし、新型コロナウイルスの治療薬として有望視されていたギリアド・サイエンシズ社の抗ウイルス剤「レムデシビル」の治験初回が失敗したと報じられ、大引けにかけて上げ幅を縮小、ナスダック指数は小幅反落した。
この失速気味の米国市場の流れを受けて、24日の日経平均は前日比167.44円安の19262.00円と反落した。半導体のインテルが決算を受けて時間外取引において大きく値下がりしたほか、後場に入っての中国・上海株の下落が警戒された。
今週からゴールデンウイーク(GW)明けとなる5月8日にかけての日経平均は19000円近辺での神経質な展開が予想される。4月20日の米国市場で、NY原油先物5月限(WTI)が史上初めてマイナス価格で取引を終えるなど原油市況が株式市場の波乱要因となったが、ここにきて落ち着き始めている。新型コロナウイルスに関連するニュースフローとともに原油の市況動向は引き続き懸念材料だ。しかし、米国では新型コロナウイルスの新規感染者数が頭打ち傾向にあり、経済活動再開への期待から景気懸念が和らいでいることが、相場の下支え材料として働いている。
一方、27日の日銀金融政策決定会合、28日からのFOMC(連邦公開市場委員会)と2大金融イベントが控えているものの、東京市場にとってマイナス材料が表面化する見込みにはない。むしろ、29日の米1-3月期GDP、5月1日の米4月ISM製造業景況指数など、米国の主要経済指標が波乱材料となる可能性がある。また、8日の東京市場の大引け後の発表となる米4月雇用統計を見据えて、見送りムードが強まりやすい。
さらに、5月6日を期限としている緊急事態宣言の延長問題がゴールデンウイーク中にまとまる見込みで、その延長期間がマーケットのセンチメントに与える影響も大きいだろう。いずれにせよ、GWという日本特有のカレンダー事情から出来高が減少することが予想され、大型株には積極的な買いが入りにくい。
こうしたなか、決算発表が本格化することも手控え要因となる。そのため、21日から一服を入れたマザーズやジャスダックなど小型株の物色人気が再燃することが予想される。特にマザーズ指数は24日に続伸して週を折り返し、出来高を膨らませていることが注目される。