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トレンドマイクロ:テレワーク導入を追い風とした株価回復に期待

トレンドマイクロ(4704):市場平均予想(単位:百万円)

トレンドマイクロ(4704):市場平均予想(単位:百万円)

企業概要

 トレンドマイクロ(4704)は、総合セキュリティ対策ソフト「ウイルスバスター」でおなじみのソフトウェア開発会社で、コンピュータやインターネット用のセキュリティ関連製品の開発・販売を行っています。

 1991年に発売した「ウイルスバスター」は、アップデートを重ねながら脱皮を続け、今や、当初のウイルス対策だけではなく、個人情報を盗むスパイウェアやフィッシング詐欺、個人情報漏洩などを防ぐ“総合”セキュリティソフトとして国内トップシェアを獲得しています。

 業績は堅調。北米地域の売上減を他の全地域の堅調な業績でカバーすることができています。セキュリティソフト市場においてもクラウド版の成長が著しく、同社もその波に乗った成長が見込まれます。また4Qには足かせの北米地域事業が好転したことが確認され、今後の動向が注目されるところです。

 働き方改革の中小企業への適用開始、政府のテレワーク推進と新型コロナウイルスによるテレワーク導入機運の高まりなど、同社の事業環境は追い風が吹いています。

注目ポイント

 今年に入ってからは新型コロナウイルス蔓延防止策としてテレワークを導入する企業が増えており、テレワークが身近な働き方となってきたことが感じられます。しかしながら、個人PCの業務利用や持ち出しPCが増加するテレワークの導入は、同時にサイバー攻撃のリスクを高める原因となります。つまり、テレワーク導入には、新たなセキュリティ需要が生まれるということで、同社は恩恵を享受することができる企業と言えます。

 テレワークは大企業を中心に広がっているようですが、今年働き方改革が中小企業にも適用されたことで、急拡大することが見込まれます。中小企業向けセキュリティ対策ソフト市場で高シェアを有す同社にとっては追い風だと思います。

 また、セキュリティ問題からテレワークを導入できないでいる企業にとっても、廉価なクラウド版セキュリティソフトの存在は心強い。「頼りになるセキュリティソフト(それもコスト負担が軽い)がある→テレワークを導入→セキュリティソフトの普及」という好循環が生まれそう。ともあれクラウド版セキュリティソフトはテレワークの導入拡大に資する製品になると思います。

 財務状況は健全です。自己資本比率は51.8%、有利子負債はありません。また現金等に14億強保有しているキャッシュポジションの厚い財務内容となっています。

【PROFILE】戸松信博(とまつ・のぶひろ):1973年生まれ。グローバルリンクアドバイザーズ代表。鋭い市場分析と自ら現地訪問を頻繁に繰り返す銘柄分析スタイルが口コミで広がり、メルマガ購読者数は3万人以上に達する。最新の注目銘柄、相場見通しはメルマガ「日本株通信」にて配信中。

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