新型コロナウイルス感染拡大の影響から、ネット通販の需要が急増している。その際に注目を集めているのが、玄関先や宅配ボックスなど、あらかじめ指定した先に荷物を届ける「置き配」だ。対面せずに済むことから感染予防の効果もあり、不在時の再配達率の低下も期待できるなど、いいこと尽くめのように思えるが、その利便性はリスクと表裏一体のようだ。
株式会社ナスタによる昨年10月の調査によると、92.4%の人が「便利だった」と回答したが、その一方で「不安に思うことがあった」と回答した人も45.7%にのぼった。コロナ禍で置き配を利用する人が増えるなか、実際に不安や不満を抱いている人たちの声を聞いた。
60代の主婦・Aさんは、外出自粛生活のなか、ネットで買い物をする機会が増えた。プライム会員で送料無料という手軽さと操作が簡単なことから、アマゾン(Amazon)をよく利用している。最近は置き配というシステムがあることを知り、これは便利だと思っていたところ、先日、トラブルに見舞われた。
「一度に複数の商品を注文したので、配送予定日が何回かに分かれるようでした。私は基本的に家にいますが、それでもなるべくまとめて受け取りたいし、いつ届くかも把握しておきたいので、業者から連絡が来てから、届く日が同じになるように指定しました。でもその後、買い物中に配送完了の通知が来て、1つだけ指定日より早く届いたことを知りました。ただ、帰宅しても、不在届も荷物もどこにもありませんでした」(Aさん)