同じくドライブスルー渋滞を起こしていたマクドナルドでは、店内飲食を休止しており、テイクアウトのみ受け付けていた。Aさんはテイクアウトのため駐車場に車を停め、店内で待っていたが、Aさん同様のテイクアウト組は5組ほど。その他はすべてドライブスルーでの注文で、その列は2列にもなっていた。近隣住民によれば、最近は昼前から夕方かけて常に混雑していて、土日は3列で対応するほどだという。
外出自粛要請を受け、全体の交通量が減っている中、ドライブスルーの周辺にだけ渋滞が起こっているわけだが、実際の利用者はどう考えているのだろうか。
関東地方に住むBさん(30代男性・会社員)は、中学生と高校生の息子2人がいる4人家族。「テイクアウトメニューを店に入って買うより、ドライブスルーを活用するほうが圧倒的にいい」と語る。
「買い物は週に1、2回。基本的には家で食事を作りますが、ある日のお昼、息子たちが食べたいというので、スーパーからの帰りにいつも通りがかるマクドナルドのドライブスルーに寄ったんです。すると、いい気分転換になったようで、それ以来、買い物の帰りに時々寄るようになりました。
同じように考えている人は多いのか、他の飲食店が軒並みガラガラのなか、ドライブスルーが混んでいたのは印象的でした。渋滞している時間はもったいないと思いますが、店の中に入るより感染拡大リスクは圧倒的に低いはず。車の中ならプライベートな空間も保てますし、店員との接触も最低限で済む。ドライブスルーに並んでいる人たちは、皆、同じように考えているのではないでしょうか」
利用者それぞれの感染予防への意識の高さが、ドライブスルー渋滞を生んでいる側面もあるようだ。感染拡大を抑えるための、やむを得ない現象といったところだろうか。