航空、鉄道会社など大幅な収益悪化の見通しを発表した企業の中には、すでに日時や場所を発表しているところもあるが、
「必要な感染予防措置を講じる予定ですが、1か月以上の先のことなのでどうなるか分からず、具体的な内容については回答することができません」(JR西日本広報部)
「現時点では予定通り6月19日に開催する方向です。具体的な感染予防対策の内容は、5月中旬に株主の皆さまにお送りする予定の招集通知に掲載する予定です」(JAL広報部)
という状況だ。
株主総会で大荒れ必至のトラブル企業の場合は、これがどのような影響を与えることになるのか。一足早く4月23日に開催したのが積水ハウスだ。『経済界』編集局長の関慎夫氏が語る。
「大株主の和田勇前会長が、土地取引で積水ハウスが55億円を騙し取られた『地面師事件』をめぐって、阿部俊則会長らの退任を提案するも大差で和田前会長の提案が否決されました」
この決議に有利に働いたといわれるのが新型コロナだった。
「緊急事態宣言の影響で予定していたホテルが使えず、本社ビルに場所が変更されました。会場は椅子の間隔を広げ、株主の議決権行使は書面で行なわれたが、出席者は昨年の10分の1にとどまり、2時間余りで紛糾せずに終わった。多くの株主は会社の内紛よりも、感染拡大を続ける新型コロナが気になったようです」(同前)
※週刊ポスト2020年5月22・29日号