投資情報会社・フィスコが、株式市場の4月27日~5月8日の動きを振り返りつつ、5月11日~5月15日の相場見通しを解説する。
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ゴールデンウイーク(GW)前後の日経平均は一進一退ながらも後半は上値を窺う展開を見た。GW前半となる4月最終週(4月27日から5月1日)の日経平均は2週間ぶりに上昇した。
週初4月27日の日経平均は24日にかけてのNYダウ3日続伸の流れをくみ一段高で寄り付くと、日銀による追加金融緩和策の決定が伝わり上げ幅を広げた。個別では、前週末に決算発表したファナック<6954>の大幅高が目立った。
28日は前日急騰の反動とNYダウ先物の時間外取引での下落などから日経平均は反落した。ただ、日銀のETF(上場投資信託)買いもあり押し幅は浅く、TOPIX(東証株価指数)とジャスダック平均は続伸、マザーズ指数は4日続伸となった。
昭和の日による休場をはさんで迎えた30日の日経平均は大幅反発し、大引けでは3月6日以来となる20000円の大台を回復した。原油価格の反発や新型コロナウイルス治療薬「レムデシビル」の臨床試験で肯定的な効果確認、FOMC(連邦公開市場委員会)で大規模緩和を維持する姿勢が示されるなどして、前日のNYダウが大幅反発したことが好感された。なお、4月の日経平均は月間で今年初めて上昇に転じた。
5連休を控えた5月1日の日経平均は、前日比574.34円安と前日の上げ分を帳消しにした。30日のNYダウが経済指標の悪化などを嫌気して反落したことや、日経平均が前日に2万円を回復し短期的な達成感が意識され、目先の利益を確定する売りが広がった。
5月1日のNYダウは新型コロナウイルスのパンデミックの責任を巡り、トランプ米大統領が中国に報復関税を課す可能性を示唆したことが嫌気されるなどして大幅続落となったものの、4日、5日とNYダウは原油価格の上昇を支えに続伸、6日は4月ADP雇用統計で民間部門の雇用者数が過去最大の減少を記録したことを嫌気して3日ぶりに反落した。
この結果、1日から6日までの4営業日でNYダウが681ドル下落したことを受けて、GW明け7日の日経平均は一段安からスタートした。ただ、後場に入ると中国の4月貿易統計の改善を好感しプラス圏に切り返した。個別ではゲームソフトの販売好調が伝わった任天堂<7974>のほかハイテク株の一角が堅調に推移した。