1度目の受診からしばらく間が空いて同じ病院に行ったところ、2回目なのに「初診」として扱われる──仕組みを知らないと、不思議に思われないだろうか。
病院にいくと必ずかかるお金として、初回時の「初診料」と2度目以降の「再診料」がある。それぞれ2880円(3割負担で860円)と730円(同220円)の医療費になる。「初診」か「再診」かで4倍の差が生じるのだ。
「事前に病院に確認しておくと、“何度も初診料を払う”といった無駄な出費を抑えられる可能性があります」と言うのは、ファイナンシャルプランナーの小谷晴美氏だ。
「同じ症状の診察でも一定期間が空くと、初診料を再度請求されることがあります。ただしあらかじめ予約をしておけばたとえ3か月以上空いても再診として扱われ、4分の1くらいの費用で済むことがあるのです」
病院が請求する医療費には一定の基準があるが、「患者にはわかりづらく、病院ごとに運用が異なることもある」と小谷氏は言う。つまり、病院のかかり方によって払うお金に差がつくことがあるのだ。
余計な出費を減らすには、医療費の仕組みを知り、自分が払っているお金を把握することが重要。それには、「明細書を読む力が必要になる」と小谷氏は指摘する。
病院では、領収証と診療明細書を患者に渡すことが義務付けられている。領収証には支払った金額と簡単な内訳が、診療明細書にはさらに詳しい内訳が記載されているが、しっかりと確認していない人も多いのではないだろうか。すべての医療費のルールの基本となるので、まずは明細書の読み方を理解したい。