病院で診察を受ける度に「再診料」などが生じるので、当然、診察回数が増えれば病院の利益になり、患者の負担は増える。
診療明細書を読むには、大きく2つのポイントがある。「基本診療料」と、医者が行なった検査などの診療行為にかかる出来高部分の「特掲診療料」だ。その内訳は点数で表示され、金額は「1点=10円」で計算。点数に0をひとつ加えたものが実際の金額となる。
では、頻繁な通院を求める医者は診療報酬を稼ごうとしているのだろうか。
「そうだと言える部分もあるが、不正確です」とするのは、医療ガバナンス研究所理事長で内科医の上昌弘氏だ。
「現在は、ほとんどの医師が共有する診療上のコンセンサスがあるので、特定の医師だけが極端に頻繁な通院を求めるのはごく稀なケースだと思います。
それよりも、患者の中には『たくさん診察を受けて安心したい』という気持ちが強い方も少なからずいらっしゃる。その患者の不安な気持ちを医師の側が利用し、必要以上の通院を求めている場合もあるかもしれません」