退職理由が「自己都合」か「会社都合」かで大きな違いも
「お得」の理由は保障内容のカバー範囲の広さにある。
「メインは失業保険と呼ばれる基本手当(失業手当)と、求職申し込み後にけがや病気で働けなくなった際に受けられる傷病手当などの『求職者給付』です。それ以外にも、介護や育児で仕事を休む人のための介護休業給付や育児休業給付などの『雇用継続給付』、在職者や退職して原則1年以内の人が講座受講や資格取得の費用を出してもらえる『教育訓練給付金』、ハローワーク経由で就職した人の引っ越しなどの移転費を負担してくれる『就職促進給付』と、合わせて4分野の給付が用意されています」(井戸さん)
コロナ禍で倒産や解雇が相次ぐいま、失業保険にも気を留めるべきだろう。もしいま、あなた自身や配偶者がそうした局面にあるなら、最悪の状況のなかで最大限もらう努力をした方がいい。失業や転職をはじめとした職業生活全般に詳しいジャーナリストの日向咲嗣さんはこう語る。
「まず留意するべきは、退職理由を“自己都合”か“会社都合”かを確認すること。会社都合の場合、例えば45才以上60才未満なら、20年以上勤務していれば最長330日支給され、1年以上5年未満でも180日受け取れます。一方、自己都合では年齢に関係なく、20年以上勤務実績があっても150日しかもらえず、10年未満なら90日までに限られます」
なかには会社の事情で退職せざるを得なかったものの、「自己都合」とされていたケースも。