巣ごもり生活で、家の中で過ごす時間が増えたことで、これまで以上に汚れが目につくようになり、本格的に掃除に取り組む人は少なくない。それでも、「トイレ・浴槽・キッチン」といった水回りは、正しいやり方で掃除をしないと、せっかく綺麗にしたと思っていたのに、むしろ雑菌を家中に広げてしまう可能性があるという。
「トイレの床に掃除機」は間違い
トイレの床に掃除機をかける人もいるだろうが、それは避けるべきだという。昭和大学病院呼吸器・アレルギー内科教授の相良博典氏が指摘する。
「トイレの床にはホコリだけでなく、下痢や腹痛の原因となる黄色ブドウ球菌や大腸菌などが付着している可能性があります。これらを吸い込んだ掃除機で、他の部屋を掃除すると、排気口から再び排出されることで、部屋中にまき散らされてしまいます。雑巾でから拭きするか、ドライタイプのシートで拭くのがよいでしょう。トイレは個室で湿気がたまりやすいので、ウエットタイプよりもドライタイプがおすすめです。ウエットタイプを使いたい場合は、速乾性の除菌シートがいいでしょう」
お風呂のカビはこすってはいけない
浴室の掃除にも注意が必要だ。長年にわたり病院の清掃指導を行なってきた医療環境管理士で、整理収納アドバイザーの松本忠男氏は「お風呂のカビはこすってはいけない」と説明する。
「浴室のタイルの目地やゴムパッキンは、黒カビがはえやすいですが、ブラシでゴシゴシとこすると傷が付き、かえってカビが根をはるように奥へ入り込んでしまいます。小さなカビを見つけてもこすらず、泡状のカビ取り剤を吹きかけましょう。その際、吹きかけた部分をラップなどで覆うと、カビ取り成分が染みこんで除去しやすくなります」