田代尚機のチャイナ・リサーチ

コロナで加速する米中対立 「発生源は武漢研究所」に中国側の反論は

米国は、新型コロナウイルスは武漢のウイルス研究所から発生したと主張しているが…(AFP=時事)

 米トランプ政権による中国批判が相次いでいる。その中で、特に注目されるのは「新型コロナウイルスの発生源は武漢のウイルス研究所である」といった批判である。これに対して中国外交部は7日、定例の記者会見を開き、華春瑩報道局長が反論している。中国の主張の主なポイントをまとめると、以下の通りである。

【1】発生源の特定は政治家ではなく、科学者が行うべきである
 アメリカの著名な科学者、疾病コントロールの専門家を含め、世界中のトップクラスの科学者が、科学的な真実に基づいて判断しなければならない。ポンペイオ国務長官は、どうして科学者、専門家が結論を出していない状況下で、発生源は武漢のウイルス研究所だと言い続けているのか。科学的な証拠を示すべきである。もし、証拠を出すことができないのなら、まだ捏造中なのだろうか。

【2】発生源は中国ではないといった研究者の意見が散見される
 フランスで初めて新型コロナウイルス患者の発生した時期が、昨年12月に前倒しされた。しかもこのウイルスは、フランスでは未知のウイルスであるだけでなく、中国から流入したウイルスとも異なっている。

 スウェーデン公共衛生局流行病主席研究員は「スウェーデンでは11月に既に感染者が出現している可能性がある」と指摘している。

 また、アメリカニュージャージー州ベルビル市の市長は、11月に新型コロナウイルスに感染したと発表している。アメリカフロリダ州では1月に新型コロナウイルス患者が出現しているが、感染者171人の中に中国に行ったことのある者は一人もいなかった。

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。