5月10日付のAFPの記事によれば、オバマ前大統領は8日、前政権メンバーなどとのチャットの中で、「われわれが闘っているのは、自己中心的で仲間を優先し、分裂して他者を敵視する長期的な傾向だ。それは米国人の生活の中でより強い衝動となっている」、「政府が極めて有能でも、うまくいかなかっただろう。『自分にとってどのような利益があるか』や『他人のことなど構わない』という考え方が政府でまかり通る時、(コロナ対応は)全くの混乱を招いた大惨事となる」と述べている。
量的緩和の再開など資金流動性供給によりアメリカの株式市場は戻り歩調となっている。トランプ政権の金融市場安定化政策は今のところ上手く行っているようだ。しかし、都市封鎖を続ける限り、景気の回復は難しい。有権者の信頼、支持を得るという点ではどうだろうか。あと半年足らずに迫ったアメリカ大統領選挙は波乱含みだ。
文■田代尚機(たしろ・なおき):1958年生まれ。大和総研で北京駐在アナリストとして活躍後、内藤証券中国部長に。現在は中国株ビジネスのコンサルティングなどを行うTS・チャイナ・リサーチ代表。メルマガ「田代尚機のマスコミが伝えない中国経済、中国株」(https://foomii.com/00126/)、ブログ「中国株なら俺に聞け!!」(http://www.trade-trade.jp/blog/tashiro/)も展開中。