追加救済策や各州での経済活動再開への期待感と原油高から上昇に転じた14日のNYダウを受けて、15日の日経平均も4日ぶりの反発に転じた。日経平均は20000円台を回復して寄り付いた後は手掛かり材料難からマイナスに転じる場面もあったが、後場に入りジリ高基調を維持した。日経平均は前日比122.69円高の20037.47円で大引けた。個別では、第2四半期決算を好感したコロプラ<3668>がストップ高のほか、サイバー<4751>が連日の高値更新となった。
今週の日経平均は20000円を下限ゾーンに据えながらも神経質な展開となりそうだ。新型コロナウイルスの感染第2波と米中摩擦への警戒を抱えつつも、経済活動再開と政府の追加経済対策が米国相場を下支えしている。22日から全人代の開幕を控えて、中国に対して過激な発言が聞かれ始めたトランプ米大統領の動向は警戒要因となる。引き続きNYダウと米株先物の時間外取引、そして上海総合指数を始めとしたアジア株の動向に、日経平均は影響を受けやすいだろう。
なお、米国では19日に世界最大のスーパーマーケットチェーンのウォルマート、21日に半導体メーカーのエヌビディア、コンピュータ大手のヒューレット・パッカード、22日に中国電子商取引大手のアリババ・グループの決算発表が予定されている。なかでも5月に入り株価上昇が再び顕著となっているエヌビディアの決算は、その内容次第でハイテク・半導体関連物色にインパクトを与えることになるだろう。
一方、国内に目を向けると、政府が14日に、新型コロナウイルス感染症に対する緊急事態宣言を5月末の期限を待たずに39県で解除すると発表したほか、第2次補正予算の編成方針を示したことで、経済活動の正常化への期待感が東京市場の相場を下支えしてきそうだ。新型コロナウイルス感染数の減少が進み、21日を見直し日としている緊急事態宣言が継続している8都道府県で規制緩和が実施されれば、マーケットのムードも好転してきそうだ。
ただし、現状では積極的に上値を買い上がる材料に欠けることも事実として横たわる。新型コロナウイルス問題の長期化という見方が台頭しており、景気の回復が想定より遅くなる懸念が強まれば、相場全般は米国市場の動向を見ながら調整度を強める可能性もある。需給的にも、5月13日、14日と日銀のETF買いが流入したが、その1日当たりの買い金額は1005億円と、4月1日から5月1日にかけての1日当たり買い入れ額1205億円から縮小していることがマイナス材料視されている。