「生野菜の表面の菌」が肉に付いて増殖も
女子栄養大学栄養学部教授の斉藤守弘さんは「炊き込みご飯、ピラフ、炒飯など、多くの食材が混ざっている料理は危ない」と指摘する。
「食材が増えるほど栄養素が増え、菌繁殖の温床になります。水分量の多い野菜と脂質の多い肉類では、冷めやすさが異なるので温度管理が難しい。表面は冷めていても内部に熱がある可能性があります。また、汁気が多いと細菌が繁殖しやすく、焼きそば、パスタ、うどんなど麺類も危ない」
お弁当の付け合わせとしてよく目にするポテトサラダ、ミニトマトも食中毒リスクが高いという。
「ポテトサラダはいも自体が傷みやすいうえ、食材を混ぜた後に加熱しないので危険です。また、ミニトマトは見栄えを考えてヘタを残したまま詰めるお店がありますが、やってはいけない。ヘタに残った水滴が菌の温床になりがちです」(斉藤さん)
食材だけではなく、その調理や盛り付けのやり方でも、リスクの高いテイクアウトのメニューを見分けることができるという。
「ご飯やおかずが温かいままで容器のふたをすると、水蒸気が発生し、水滴が内側につきます。そうした水滴は『自由水』と呼ばれ、カビや細菌が繁殖する温床になる。できたての料理が持っている『粗熱』を完全にとってからパックに詰められているか確認してください」(斉藤さん)
生野菜とほかの食材が混ざり合ってしまうような盛り付けのメニューも要注意だ。
「生野菜の表面には菌がいるもので、野菜用洗剤で洗ってもゼロにはなりません。野菜だけなら栄養素が少ないので菌は増えませんが、ドレッシングやソースなどの汁を介して菌が肉などほかの食材に付着すると一気に増殖しかねない。おかずが一品ずつしっかり区分けされているものを選んでください」(一色さん)