企業概要
KeePer技研(6036)はまだワックスが自動車コーティングの主流だった時代に、独自のカーコーティング技術「キーパーコーティング」を開発し、日本に全く新しい自動車向けサービスを生み出した企業です。
創業は1985年で、当時はガソリンスタンドの経営を行っていました。ところが費用が重く収益が思うように伸びないことから、高単価な洗車やカーコーティングなどの施工サービスを開始した、というのが同社のルーツです。
これがうまくいき、コーティング材料や機器の卸売り販売、また洗車スクールなど施工技術の研修サービスと相次ぎ関連事業を起ち上げ、1993年にはアイタック技研を設立しました。このあと、洗車・トレーニングセンターや洗車専門店の開設、ケミカル材料のドイツSONAX社との提携と、事業基盤を拡大させていきました。これが同社の原型で、現在でも引き継がれています。
現在では、「日本に新しい洗車文化を」をビジョンに、カーコーティング材料の製造開発からカーコーティング施工サービス、また施工者に対する技術提供まで、ワンストップで提供しています。
主な事業内容は、カーコーティング材料などの開発・製造・販売、カーコーティングや手洗い洗車を専門に行う「KeePer LABO」の直接運営、およびガソリンスタンドなどでの「KeePer PRO SHOP」のフランチャイズ展開を行っています。2019年6月末時点で、キーパープロショップ5820店舗、キーパーLABO直営店80店舗を運営しています。
ビジネスモデルとしては、自社開発・製造したケミカル材料や機器を使った自動車向け施工を、直営またはフランチャイズ店を通じて提供するほか、その施工に必要な材料をサービス店舗に卸売りしています。
注目ポイント
業績は好調です。新車志向の減衰と「長くきれいに使う」意識の高まり、車齢の伸長といった事業環境の中、経営が難しかったガソリンスタンドの第2の売上基盤としてカーコーティングや洗車は地位を確立しました。さらに今後、メーカーやカーディーラーへの浸透が見込まれており、同社の事業環境は良好です。
追い風吹く中、今期は昨年の広告宣伝効果がはっきりと売上に表れており、高採算品の拡大が大幅増益をもたらしています。足元では新発売された高単価品、新車用「EXキーパー」が好調なスタートを切っており、来期は通期寄与による営業増益が見込まれています。
同社には、プロショップへの卸売り販売という消耗品ビジネスが安定収益源となっており、サービス店舗FCが増えれば増えるほど稼げる仕組みができています。そのカラクリによって、同社の売上総利益は創業来一貫して増加し続けることが出来ています。
キャッシュフローも良好で、営業CFは7割増、現金等は一年で3割増となり、借入をカバーして実質無借金経営を実現しています。自己資本比率は69.5%、流動比率は3.8倍に達しているなど、財務状況は健全です。
【PROFILE】戸松信博(とまつ・のぶひろ):1973年生まれ。グローバルリンクアドバイザーズ代表。鋭い市場分析と自ら現地訪問を頻繁に繰り返す銘柄分析スタイルが口コミで広がり、メルマガ購読者数は3万人以上に達する。最新の注目銘柄、相場見通しはメルマガ「日本株通信」にて配信中。