外出自粛が続く中で、自炊するようになった人や、時間や手間のかかる料理に挑戦する人が増えている。しかし、新しい調理家電までそろえて本格的に料理に挑戦しようとしたものの、うまく使いこなすことができず、無用の長物と化しているものもあるようだ。自炊疲れした人たちが明かす、“ムダになった調理家電”とは?
30代の男性会社員・Aさんは、1人暮らし歴10年。自炊をそれほど真剣にしておらず、コンビニか外食で済ますことが日常だった。
「在宅勤務になってから、健康とダイエットを兼ねて自炊を始めました。単純な炒め物でさえしょっぱすぎたりして、最初は絶望したことも。でもせっかくなら動画で勉強するなりして完璧を目指そうと頑張りました。宅飲みのつまみもSNSに投稿するなどしてモチベーションを保っていました」(Aさん)
料理に目覚めたかのように思えたAさんは、さらに家電をそろえることで力を補おうとした。しかし「それが裏目に出た」と振り返る。
「“おうち時間”の初期投資だと思い、それまで持っていなかった電子レンジや電気ケトル、炊飯器など、基本的なものに加え、コーヒーメーカー、ホットプレートといったものも一式買いそろえました。でも、お湯はガスで沸かせばいいし、コーヒーはインスタントで十分。炊飯器も、無理して買うことはなかったですね。1人ならレンジでできあがるレトルトパックでもいいですし。
極めつけは電子レンジで、何やらたくさんの調理メニューがある。最初は『これ一台でなんでもできる!』とテンションが上がったのですが、結局時間がかかるし、電気代だって高そう。やはりこれまで料理をしてこなかった生活には、自分なりの理由というか、向き不向きがあったんだと再認識しました。僕はどれだけ時間があっても、料理には向かない。在宅勤務が終わったら、自炊はせず、テイクアウト生活になりそうです」(Aさん)
一方20代の男性会社員・Bさんは、もともと料理に興味があるタイプ。これまで欲しいと思っていても、それを使う時間的余裕がないからと購入をためらっていた調理家電を手に入れたが、すでにほこりをかぶりつつあるという。