外出自粛で、買い物ができず実店舗での売り上げは激減。全国百貨店協会の発表によれば、4月の百貨店売上高は前年比72.8%減。4月の「商業動態統計速報」でも衣類が前年比53.6%減、ガソリンなど燃料が21.7%減など、大きく落ち込んだ。その一方で、うれしい悲鳴をあげているのが通販だ。
家で作って食べる機会が増えたことや、ふだん料理にノータッチだった男性も台所に立たざるを得なくなったことなどから、調理家電の売り上げが急増しているという。特に人気が高かったのが、ホットプレートと電気圧力鍋だ。調理器具以外では、いわば空気清浄機付き扇風機ともいえる「ダイソンのパーソナルファン」が人気だった。全般的にエアコンよりも扇風機がよく売れたという。取り付け工事のため第三者が自宅に入ることに抵抗があったのではないか、との見方もある。
家で過ごす時間が増えたことで、「巣ごもり美容」に関する商品も人気を集めている。ショップチャンネルでは、『美人工房』のボディシェイパーが好評だという。24時間放送のテレビ通販『ショップチャンネル』を運営するジュピターショップチャンネルの広報・佐藤美琴さんが語る。
「肌触りのよい素材を厳選し、接触冷感で快適な着心地でありながら美しくボディーメイクできる補正下着です。外出自粛の中、運動不足を感じ体形維持のため、また、自宅で着心地のいいインナーが欲しいという両方の需要に合致して売れているのだと思われます」
美ボディーをつくる商品としてショップジャパンで売れたのは、「ゆらころん」だ。
「『ゆらころん』は、S字状の座椅子のようなアイテムで、腰かけてゆらゆら動かすことで、腹筋に働きかけ、正しい姿勢をつくってくれます。ストレッチ運動もできるので、在宅勤務の環境が整っておらず、家の机や椅子が合わなくて体がこり固まってしまったかたからのニーズもあるのかもしれません」(ショップジャパンを運営するオークローンマーケティング広報・野崎有希さん)