お土産を目当てに株主総会に足を運ぶ個人投資家もいるだろうが、例年、お土産を実施している企業のほとんどが招集通知に「お土産はとりやめます」と明記している。中には「本年よりお土産は廃止させていただきます」と、コロナ禍に便乗して来年以降のお土産もやめると書かれた通知もある。
お土産で人気の株主総会というと、ダイオーズ(4653)がある。同社は株主とのコミュニケーションを重視しており、総会に足を運んで閉会まで見届けた株主には後日200杯分のコーヒーを自宅に送るサービスが恒例となっている。このコーヒーを目当てに毎年、会場となる川口総合文化センターリリアには株主が殺到、開会前は入場を待つ大行列ができ、閉会後も混雑してなかなか会場を出られないほどだ。
この名物株主総会も、2020年は様相が一変しそうだ。例年、2000人収容のメインホールは満席となるが、同社は今年は「密」を防ぐため入場できるのは100名に制限し、お土産も実施しないとしている。
株主総会を「ハシゴ」するのを楽しみにしている個人投資家にとっては、さみしい総会シーズンとなりそうだ。
文■森田悦子(ファイナンシャルプランナー/ライター)