月末が近づくと株主優待ファンが気になるのが、株主優待券の利用期限だ。特に最近は新型コロナウイルスの感染拡大で多くの人が外食や買い物を控えており、使う機会のなかった優待券が手元に溜まり、期限が気になっている人も多いだろう。
緊急事態宣言の解除を受けて、まずは利用期限が5月末日に迫っている優待券を消化しなければとあせっている人もいるかもしれないが、慌てる必要はないかもしれない。多くの企業がこうした状況に配慮して、期限延長の措置をとっているからだ。
たとえば、ビッグカメラ(3048)は2020年5月31日が期限の株主優待券を2020年8月31日まで延長すると発表した。また日本航空(JAL、9201)と全日空(ANA、9202)も、5月31日までに期限を迎える株主優待券を11月30日まで利用できるようにしている。
外食でもクリエイト・レストランツ・ホールディングス(3387)の優待券が5月末で期限を迎えるが、同社がウェブサイトで2020年8月31日まで利用可能とアナウンスしている。「サルバトーレ・クオモ」などのイタリアンレストランを展開するワイズテーブルコーポレーション(2798)も、5月末期限の優待券は11月30日まで期限を延長する。
すでに3月末に期限が切れてあきらめていた人にも朗報がある。すかいらーく(3197)は2020年3月末までの優待券を5月末まで使えるよう早々に期限延長を発表していたが、9月末までに再延長した。
コロワイド(7616)も2020年3月末期限の株主優待ポイントを6月末まで延長していたが、これを9月末まで再延長している。同社は四半期ごとに利用期限が到来するが、6月末期限のポイントも9月末まで期限が延長される。傘下のアトム(7412)やカッパ・クリエイト(7421)も同様の対応を行っている。
「いきなりステーキ」などを展開するペッパーフードサービス(3053)も4月末までの優待券の期限を6月末に延長した。
ただし、5月末に期限を迎える100円ショップのキャンドゥ(2698)については、特に有効期限延長のアナウンスはないようだ。企業の対応には温度差があるので、手元にある優待券を再度確認し、ウェブサイトのIR(投資家広報)ページをチェックするのがおすすめだ。特に延長のお知らせが掲載されていないようなら、期限までに使い切りたい。
文■森田悦子(ファイナンシャルプランナー/ライター)