ポストコロナの家計を直撃する「値上げラッシュ」が始まっている。毎月必ず支払う水道光熱費や通信費、家賃など固定費も、すでに値上げが行われている。
大手電力全10社は、5月から電気料金を引き上げた。東京電力は4月より月20円値上げした(標準的な家庭のケース)。大企業を中心に在宅ワークが浸透する中、これはサラリーマン世帯にとって大きな負担になる。
省エネコンサルタントのアイ・グリッド・ソリューションズの調査では、3月中旬から1か月間の電気使用量は、在宅勤務中の世帯の6割で前年同期比36%、1700円増えたという。これに値上げが加われば、家計への影響はより深刻になる。
「在宅ワークに伴う負担増は通信費も同様で、Wi-Fi設置のほか、プロバイダ各社には『契約中のプランではギガ数が足りない』と、契約変更が相次いでいる」(大手プロバイダ関係者)
水道料金は、4月から茨城県水戸市、結城市などで10~20%程度の値上げが実施された。生活支援策として期間限定の減額を発表する自治体も少なくないが、水ジャーナリストの橋本淳司氏は「新型コロナ収束後に全国で値上げが広がる可能性がある」と指摘する。
「地方自治体の多くは、人口減少や水道設備の老朽化対策などのため現在の水道料金では事業を維持できなくなっている。今後は値上げを選択する自治体が増えてくると予想されます」