いったいどのようなものが品薄になり、高騰していくのだろうか。詳しく見ていこう。
不足する食品の代表格が、肉類だ。いまも感染が広がっているアメリカでは食肉加工施設の閉鎖が相次ぎ、各州では、スーパーで食肉が品薄に。ファストフードチェーンのウエンディーズでは、2割の店舗でビーフ製品の販売を停止し、ビーフパテのハンバーガーを売ることができないという非常事態に追い込まれている。また、スーパーの「コストコ」でも食肉の販売を制限するなど、庶民の食卓を直撃している。
「日本の牛肉の輸入元は、アメリカとオーストラリアがメイン。輸入量が減れば、当然価格は上がります。さらに、育てるための飼料もほぼ輸入に頼っているため、国産牛肉も値上げの可能性があります」(永田さん)
牛肉だけでなく、鶏肉も不足しそうだ。全輸入量の約8割を占めるブラジル産の鶏肉は、ファミレスのから揚げや、居酒屋チェーンの焼き鳥など、外食産業で広く用いられている。スーパーでも国産に比べて安く売られているため、購入している人もいるだろう。
そのブラジルは感染爆発の真っただ中だ。死者は3万5000人を超え、アメリカ、イギリスに次いで第3位。感染者数は約67万人を超えた。貧困層が多く、検査や医療体制の不備から、実際の感染者数はこの数字を上回るとされており、鶏肉の飼育や出荷に影響が出るのは必至だ。